ロットネスト島にやってきて3ヶ月。
とうとう
この島を離れる時がやってきた。
まだまだこの島に居たい気持ちもありつつも
1年間という限られたオーストラリアでの滞在中には、
他にも行きたい街がたくさんある。
期間を逆算し、島を離れることを決意。
本来ならば
仕事を辞めた翌日の朝イチのフェリーで島を離れればいけないところ、
ギリギリまで大好きなロットネスト島を楽しみたくて、
上司に最終フェリーの時間まで滞在許可をもらい
最後の最後に
ずっと気になっていた細い道を探検!!
その道とは、
Bickley Battery Heritage Trailと呼ばれる場所。
緑の中を通る
この細い道の途中には、
独り占めできそうな
隠れ家的ビーチや、
時の流れを感じさせる
廃墟感たっぷりの建物、
線路や砲台の名残りなど、
冒険心をくすぐるものたちがところどころに。
実は、ここBickley Battery Heritage Trailは、
第二次世界大戦時のロットネスト島の歴史を伝えるために残されている道。
第二次世界大戦時、
フリーマントルをはじめとする
オーストラリア本土へ攻め込まれるのを防ぐディフェンスの役割を担っていたロットネスト島。
当時の設備がここには残されているんです。
砲台や関連する設備は
1938年頃に造られ、1963年まで実際に使用されていました。
今となっては
廃墟のような佇まいの各所には
本来何の為の設備だったのかを説明する看板も立てられており、
第二次世界大戦当時、
この辺り一帯は
ロットネスト島、そしてオーストラリアを守るための
重要な役割を担っていたことがうかがえます。
かつては
アボリジニー(オーストラリアの先住民)の刑務所としての役割を担ったり、
第二次世界大戦時には本土を守るためのディフェンスの立場となったり、
決して明るい歴史を刻んできたわけではない
ロットネスト島。
そんなロットネスト島も
今となっては
美しいインド洋を臨むリゾートアイランド。
エメラルドグリーンの海に囲まれた
世界一幸せそうな生き物、
クオッカがいる島。
いよいよやってきた最終フェリーの時間。
一緒にハウスキーピングを頑張ってきた同僚たちに
フェリー乗り場まで見送ってもらい、
名残惜しみながら
そんなロットネスト島を出発。
予定通り30分程で
海の向こう側にある
フリーマントルのB-Shedにたどり着くと、
島での生活が幕を閉じたことを告げてるかのように
海がドラマチックに
夕焼けでオレンジ色に染まっていて、
思わず感傷に浸ってしまう。
"この先、
あんなに素敵な島で暮らせることなんて
一生ないんだろうなぁ"
と、この3ヶ月の出来事が走馬燈のように蘇ってくる。
こうして、
東のメルボルンのイチゴファームから思いがけずやって来た
オーストラリアの西の端、ロットネスト島での生活は終了。
旅の最中のオーストラリアでのワーキングホリデー。
次はいったい
どんなことが待っているのだろう。